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映画「パンドラの約束」監督インタビューを紹介します

映画『パンドラの約束』特別インタビュー  なぜ環境保護派が原子力を支持するのか

WEDGE2013年8月28日(水)09:00

映画『パンドラの約束』特別インタビュー  なぜ環境保護派が原子力を支持するのか (WEDGE)

――福島の事故をどう見ていますか。

「パンドラの約束」の製作中、私は福島の避難指示区域を訪れ、自分自身の目で、そこで何が起きたのかを確認しました。気候崩壊を防ぐ取り組みに必須なエレメントとして、原子力エネルギーを支持する立場のひとりとして、福島を訪ねることは、ひどく心がかき乱される思いでした。端的に言って、福島原発事故は決して起こってはならないことでした。また、事故を引き起こした人為ミス、すなわち不十分な防波堤と海抜の低い位置に非常用の発電機を設置していたことに対する説明や謝罪はみられません。

日本各地の原子炉は、千年に一度という最強レベルの地震の中でも特段問題ありませんでした。一歩前に進み、このことが思い出されなければなりません。

福島の発電所だけが唯一、津波によって破壊された後に、惨事に見舞われました。WHO(世界保健機構)とUNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)は原爆が投下された広島と長崎で生き残った人々の健康状態を、およそ70年に亘り調査し、福島での放射線放出による被曝によって健康上の悪影響を受けた人はおらず、また今後についても、何らかの健康被害が認められることは非常に考えにくいと結論付けました。

反核グループは、当然これらの見識に異議を唱えるでしょう。なぜなら、彼らがこれまで40年間作り上げてきた、「核関連の事故がもし起きれば、この世の終わりのような大惨事となる」という説を否定することになるからです。

この主張こそ、彼らが原子力エネルギーに反対する所以であり、彼らは決してその主張と矛盾する科学的な証拠を受け入れません。彼らは、その政治目的を達成するため、民衆が原子力エネルギーを恐れるよう仕向ける必要があります。日本国民の多くは、ほんの少しであっても放射線量が上がることを恐れており、それは彼らの思うつぼです。

私は、避難指示区域のすぐ外にある街を訪れましたが、そこの親たちは子供たちが屋外で遊ぶことを許しませんでした。断じて、です。放射線量は、世界の多くの地域の元々の放射線量より低い数値でした。しかし親たちは、反核の人々やメディアから得た情報で子供たちの健康を慮り、放射線を恐れていました。

苦しんでいるのは誰でしょうか? 二度と外で遊べないかわいそうな子供たちや、(多くの場合、必要以上に)ふるさとに戻ることを恐れている家族たちです。

反核グループは、チェルノブイリについても同様の主張を展開しました。100万人以上の人々が悲劇的な災害のために命を奪われた、と言い募ったのです。国連によって行われた最高レベルの疫学的研究が、チェルノブイリ原発事故が直接の原因で亡くなったのは、長い年月を経た後の今日でさえも、たった56人であったと指摘しているにもかかわらずです! これは異常なことですが、真実として起きていることでもあるのです。

放射線は、極めて弱い発がん物質であることが分かっています。身体へのダメージを与えるには、かなり高い線量─福島の避難指示区域内で認められる線量よりはるかに高い─を要します。我々は、福島の避難指示区域内とその周辺で測定しました。そこの放射線量が、基準より高めであることは疑う余地のないことです。私は、持ってきた線量計で、自分自身の目で確認しました。信じがたいことかもしれませんが、わずかな数のホットスポットを除けば、その線量は人が身をさらしても健康を脅やかすレベルにはありません。放射線量のレベルは、重要な論点です。リンゴにさえもシアン化物が含まれていますが、含有量は低く、人体には無害です。

メディアは、恐怖心を煽ることで人々の注目を集め、視聴率をたたき出し、繁盛しています。何かが、「実はそれほど危険でない」と伝えることは、ニュースではないのです。悲しいことに、日本の原子力発電の所管当局は国民の信頼を失っており、人々が最悪の事態を信じる傾向にあることが見て取れます。これは2011年3月の、日本の難局における、特に東京電力のリーダーシップの大いなる失敗だといえます。

文部科学省や資源エネルギー庁は、国民の信頼を回復する必要があります。彼らは、調査結果の科学的な裏づけを国民に説明するとともに、良いニュースと悪いニュースの双方を、誠実に開示していく必要があります。それによってのみ、彼らは信頼を取り戻し、恐怖心を煽る輩を駆逐することができるのです。(以下略)

http://news.goo.ne.jp/article/wedge/business/wedge_3112.html

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3112?page=2

「パンドラの未来」は、今年1月にサンダンス映画祭で公開された、ロバート・ストーン氏監督によるドキュメンタリー作品です。日本ではいまだ未公開ですが、一つの意見として、ネットで公開されているインタビューを紹介いたします(三浦)