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がん死亡率「震災後増えず」 震災・原発事故後の健康影響調査

がん死亡率「震災後増えず」 震災・原発事故後の健康影響調査

2016年05月08日 08時00分

 震災と原発事故後の南相馬、相馬両市民への健康影響について、相馬中央病院などの研究チームが震災後5年間のがんによる死亡率を調査し、震災前と比べて増加傾向はみられなかったとする結果をまとめた。

  7日、相馬市で開幕した「こどもと震災復興国際シンポジウム」で、同病院の森田知宏医師が結果を示し「(原発事故の被災地では)放射性物質が降り注いでがん患者が増えたとの声もあるが、研究結果からはがんで亡くなった人は増えていない」と説明した。

研究チームは厚生労働省の人口動態統計などを利用し、2006(平成18)~14年の年ごとのがんによる死亡者数などを比較した。10万人当たりのがん死亡率は06年が男性184人、女性100人だったのに対し、14年は男性166人、女性86人と震災前より減少。がんを含む全ての死亡率では、06年は10万人当たり男性599人、女性329人なのに対し、14年は男性523人、女性302人だった。どちらも医療の発達などにより死亡率が低下したと分析している。

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160508-071845.php

「早産」などの割合、震災前後に変化なし 復興シンポジウム

相馬市で8日、最終日を迎えた「こどもと震災復興国際シンポジウム2016」で、医師や国内外の大学教授らが研究成果などを報告した。 

このうち、南相馬市立総合病院のクレア・レポード研究員は、同病院で生まれた新生児の早産(37週未満での出産)と低出生体重児(2500グラム未満)の割合について報告。早産は震災前4.9~7.7%、震災後3.9~6.7%、低出生体重児は震災前7.7~8.7%、震災後5.4~10.6%と、いずれも震災前後で大きな変化がなかったことを説明した。

相馬中央病院内科医・南相馬市立総合病院非常勤医の坪倉正治医師は「外部被ばくと内部被ばく調査の取り組み」について語った。

このほか、相馬中央病院の越智小枝内科診療科長は「子どもと高齢者の健康影響」、インペリアル・カレッジ・ロンドン腫瘍外科学講座のジェリー・トーマス氏が「甲状腺スクリーニングの世界の動向」、インペリアル・カレッジ・ロンドン公衆衛生大学院の野村周平氏が「原発事故後の避難と健康リスク」について報告した。

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160509-072063.php

「相馬地域に若者を」 相馬で復興シンポ、情報発信の継続訴え

2016年05月09日 09時24分

研究家らが相馬地域の情報発信の必要性などを強調したパネル討論=相馬市

  相馬地域の医師や国内外の有識者が震災と原発事故による健康影響などの研究成果を世界に発信する「こどもと震災復興国際シンポジウム2016」の最終日は8日、相馬市でパネル討論などが行われた。パネリストは、相馬地域の復興や再生に向けた人材確保のため、地域の魅力や放射線量などに関する情報発信の重要性を強調。「相馬地域の素晴らしさを伝え、若者を呼び込むことが必要」という考えで一致した。

 パネリストは、震災と原発事故から5年が経過した今、地域の再生に向け、避難住民の帰還を促したり、県外などから若い人材を呼び込むことの大切さを訴えた。桜井勝延南相馬市長は「専門家による科学的なデータを通して南相馬市を正しく知ってもらい、地域の素晴らしさを伝え続けることが求められている」と提言。立谷秀清相馬市長も「放射能教育の大切さやシンポジウムの成果を世界に向けて発信したい」と語った。

一方、滋賀県から南相馬市に移住した南相馬市立総合病院の山本佳奈研修医は移住を決めた時、両親から心配されたエピソードを明かし、「南相馬市の魅力を伝えることで誤解は解けた。被災地の本当の姿を知ってもらいたい」と相馬地域を正しく理解してもらうことの重要性について述べた。

また、パネル討論以外では、相馬地域の外部被ばくと内部被ばくについて研究報告した相馬中央病院内科医・南相馬市立総合病院非常勤医の坪倉正治医師が「子どもが放射線について知る機会が減っている」と危惧。「授業などで最低限でも放射線の知識を教えるべきだ」と呼び掛けた。

シンポジウムは相馬地方市町村会の主催、世界保健機関(WHO)の共催、日本医師会の特別後援、福島民友新聞社などの後援。

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160509-072064.php

福島民友記事を紹介します。このような継続した調査によって、風評被害や放射線についての正しい知見が広がってゆくことが必要です。「放射能教育の大切さやシンポジウムの成果を世界に向けて発信したい」という市長の発言を、国会議員やマスコミの方々にもぜひ受け止めていただきたい。このような地道な研究に敬意を表するとともに、前者の癌患者の死亡率の減少について、例えばホルミシスの見地からの問題提起なども聴いてみたく思います。(広報)