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地球を救う夢のテクノロジー 超安全小型原子炉で貧しい人たちに電気と水を  服部禎男工学博士講演会報告(下)

 後半では「神の贈り物 超小型安全原子炉で貧しい人たちに電気と水を」と題して講演が行われた。服部氏は、自分の原点は若き日に訪れた広島の原爆ドームと資料館だと述べ、原子力をいかに平和利用するか、そのためには、このような惨事が決して起こらぬよう、安全確保の技術に全力を挙げて取り組まねばならないと決意したと語った。
 そして、今回の福島の事態について、自分ももちろん科学者として責任を感じており、より安全な原子炉のためにも、ここで、安全性の極めて高い小型原子炉、まさに「神の贈り物」について述べたいと語りました。
 そしてこの問題の前提として、今世界では豊かな国と、貧しい国、貧しい人々との間に本当に格差が生じ、食糧危機、エネルギー危機が迫っている、仮に、すでに豊かな国になった立場の人たちが、これから発展しなければならない貧しい国に、お前たちは火力は使うな、二酸化炭素は出すな、開発を少し遅くせよということを命じることは絶対にできないはずだ、世界中の人たちに豊かで安全なエネルギーを使えるようにするためにも、この、安全で小型、しかもさまざまな奇跡的価値を持つこの小型原子炉を作成していくべきだと、未来への希望を語りました。
 そして、まずこれまでの原子炉における事故や問題点をスライドで提示し、スリーマイルアイランドは、きわめて不審な形でのヒューマンエラー、技術者のミスにより生じた事故であり、チェルノブイリ事故は、アメリカでの1986年、アルゴンヌで行われたEBR-2実験炉において、緊急停止系統をブロックして原子炉冷却ポンプを停止させ、事故が回避できるかという実験を行い、それが見事成功したので、それにソ連の技術者が同じ実験を行い、逆に大事故になったものであること、もんじゅの事故は膨大で複雑な配管構造が、管理しきれなかったことなど、様々な例を提示し、大型の原子炉よりも、安全性を追求するためには、何よりも小型化が必要だと述べました。 
 その上で、自分の設計した超小型原子炉の特徴は、4S(super safe , small and simple)だと述べ、炉心サイズを非常に小さくすれば、事故が起きても、異常な温度上昇があれば炉心反応が確実に下がり、臨界喪失になり、原子炉は自然に停止してくれる、これが最も本質的な安全性であると述べた上で、炉心サイズを一メートル以内にまで小さくしたために、自分でも予期していなかった奇蹟が起きた、発電機の出力が大きくなると、そちらにエネルギーを持って行かれるので、原子炉冷却材の温度が下がり、温度が下がると冷却材密度が上がり、中性子が漏れにくくなり原子炉の熱出力が増加する。逆に発電機出力が下がると、原子炉の冷却材温度が上がり、その結果原子炉の出力が下がる。これによって、完全な自動負荷追従特性が出現した。これならば、制御棒も運転員もいらず、自動的に原子炉が活動してくれるという世界でも例のない、まさに神の贈り物のようなシステムができたと服部氏は感動を込めて語った。
 そして、実際の事故は、自動制御システムの不備や制御棒の間違った作動で起きることが多く、制御棒をなくせばそれを防げる、作業員が要らないということはコストのみならずたとえばテロ防止にも役立つ。小型だからこそ安全性も管理も容易で、場所も取らすどこにでも置ける。冷却水の必要も原則的にないため、何も川や海の近くに設置する必要もない。そしてまた重要なのは、米国のアルゴンヌ原子力研究所との交流により、原子炉の燃料に使われる「金属燃料」が、長期の使用に耐える素晴らしい燃料棒となることが分かった、特殊な合金を使えば、約40年間は使用できる。このように、まさに4S,超小型原子炉は、安全かつ管理しやすく、制御棒や作業員もいらず、長期にわたる発電の可能な素晴らしいもので、貧困国のエネルギー救済にも、今後の世界の原子力発電のためにも、まさに神様が私たち人類の発展と平和のために送ってくれた贈り物のようなものだと服部氏は語りました。
 そして、技術的には今すぐにでも日本は開発が可能であり、これは世界でも歓迎され、特に貧困を救う発電技術として日本の世界貢献にもなることなのだが、未だに、それを妨害しようとする勢力もある。日本の発展を望まない勢力もある。しかしそのような雑音を気にすることなく、堂々と日本はこの超小型原子炉の作成に進むべきだと服部氏は講演を結びました。
 会場には医師の中村仁信氏も参加されて発言し、福島における汚染は全く恐れる必要はないことを強調し、また、話題になっている汚染水に対しても、原則的にあの線量であれば問題はなく、汚染水という言葉も間違いであると断定しました。最後に司会者が、このような講演を聴きまた学ぶことで、原子力についても間違ったイメージを払しょくし、また私たち一人一人が勇気を持ってタブーを廃し語っていくことを訴え、本日の講演会は終了しました。