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福島第一原子力発電所の労働を描いた漫画「いちえふ」(第2巻)発売

福島第一原子力発電所の労働を描いた漫画「いちえふ」竜田一人著(第2巻)が、講談社より発売されました。本書でも主人公は地震後の現場での作業を淡々と、しかし漫画に絶対必要なユーモアを交えて描いていますが、第二巻では、工場現場だけではなく、取材を受けたときの思い出や、現地での著者自身によるボランテイアライブ(昔の歌が得意で施設のお年寄りに大変喜ばれたらしい)などのエピソードも盛り込まれて味わい深い一冊となっています。

特に印象的だったのは,この漫画を描いた後受けた取材のこと。

「体調はいかがですか」と聴かれ、「むしろ福島へ行く前より健康なくらいです」と答えて、大体の質問者はこれで案人事てくれるのだが、ただ一人、極端な質問を繰り返した人がいたとのこと。

「顔色が悪くて、頬もげっそりしておられるように見えますが、それはやはり放射能の影響で?」

さらに何を話しても「以前よりおやつれになられたのでは?」と繰り返され「以前の俺のこと知らんだろ!もともとこんな顔なんだよ」と切れそうになったそうです。ここでは著者は、汚染水も騒ぎすぎの面があるとか、オリンピックの聖火リレーを国道6号線でやったらどうかとかまで語ったらしいのですが、全くそれは無視されたとのこと。

また「過酷な現場で搾取されたのですね、常人にはとてもあの過酷な場所は・・・」と、最初から結論ありきの取材があり、それに対し「いやいや、働いているのは、みんな普通のおっさんですから」というと「そんな普通の方々の危険な被ばく労働の上に成り立っている職場なのですね」と、これまた結論に強引に結び付けられてしまったようです。

また、特定秘密保護法案について意見を訊かれたことがあって、実はその取材者が、漫画そのものも読まず、原発についての最低限の知識もない人だったこともあったとのこと。これは新聞からの取材だったようです、マスコミの方々は是非考えてほしいのですが、こういうのは取材じゃないです。著者は漫画で表現しているのだから、まずその内容について質問してほしい。

今も続く福島原発の作業が終わるまで著者は関わり続けると語っています。この第二巻もぜひお読みください。漫画としても、機械や作業現場のち密な描き方と個性的な作業員の姿など大変面白く読めるものになっています(三浦)