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SAMRAI2014 結論と提案

昨日3月24日、当会主催の研究会SAMRAI2014が衆議院議員会館国際会議室にて無事開催され、有意義な発表と冷静な科学的識見が提示され成功の裡に閉会することができました。ご登壇いただいた諸先生方、ご参加いただいた方々、またボランテイアの皆様に深く感謝いたします。取り急ぎ、先日の結論と提案を報告いたします(広報)

SAMRAI2014 結論と提案 第一回放射線の正しい知識を普及する研究会・SAMRAI2014 が2015 年3 月24 日、日 本国衆議院第一議員会館で、「福島の低線量率放射線の科学認識と20km …

書評「福島を原発の風評被害から救え」 中村仁信

書評「福島を原発の風評被害から救え」 中村仁信

 

 本書は一般書籍ではなく、宗教法人念法眞教発行の「鶯乃声」平成26年7月号から12月号に連載されたインタビューを編集したパンフレットです。東日本大震災以後の様々な風評についての過ちと、放射線の基礎知識を学ぶためのわかりやすくかつ総合的な入門書となっており、このホームページでも紹介させていただきます。

 

第一章の「放射線に対する誤解や勘違いを正す」の冒頭にて、中村先生は「これまでも、これからも、放射線による被害が出ることはありえない」と明確に言い切っています。国連が、百ミリシーベルト以下の低線量は問題ないとみなしていること、アメリカにおける50州のうち8州の平時の平均被ばく線量は2・7ミリシーベルトを超えているのに、癌の死亡率はむしろ他州より低いことなどの実例を挙げ、現在の日本が1ミリシーベルトにこだわる必要はないことをまず実証的に指摘しています。そして、放射線を浴びた後での人体のメカニズムを、活性酵素によるDNAへの損傷と、それを修復しようとするときに生じる突然変異だと説明した上で、だからと言ってこの突然変異がガンの発生に直接結びつくとは言い切れないこと、放射線に関わりなく人間の細胞には一日当たり数万単位でDNA損傷が起きていることなどを挙げ、冷静な議論のための基本を学ばせてくれます。

 

その上で、放射線を浴びることにより免疫力が低下し、癌になりやすいという俗説に対し、それは高線量の被ばくで起きることで100ミリシーベルト以下の場合はむしろ免疫力が高まるという実験結果もあること、「線量率」と「線量率効果」、つまり一瞬のうちに高線量を浴びることと、1年かけて浴びることではまったく意味が違うことなど、この問題を考える上での基礎的な知識が示されます。

 

その上で第2章「放射線の現在、子供の被ばく、甲状腺がん」では、ベクレル、シーベルト、グレイなど、中々素人にはわかりやすい単為が説明されたのち、ベクレルとは放射線を出す能力、放射線の強さを表す単位であり、現在敷かれている食品や水の放射能規制は余りにも厳しすぎることが指摘されます。


3月11日20:00~ニコ生放送 アゴラチャンネル に高田純教授が出演いたします

下記の番組に高田純先生が出演いたします、ぜひご覧ください

3月11日20:00~ニコ生放送 アゴラチャンネル 4年間の現地調査、今月の福島6号線線量調査結果、 福島復興を目指す放射線の正しい知識を普及する日本政府への提言SAMRAI2014 http://live.nicovideo.jp/watch/lv213391522

(追記) アゴラ【言論アリーナ】なぜ正確な放射能情報が伝わらないのか 〜福島復興、現地調査をした専門家からの提言 昨晩の放送が、ユーチューブで観れます。 …

福島第一原子力発電所の労働を描いた漫画「いちえふ」(第2巻)発売

福島第一原子力発電所の労働を描いた漫画「いちえふ」竜田一人著(第2巻)が、講談社より発売されました。本書でも主人公は地震後の現場での作業を淡々と、しかし漫画に絶対必要なユーモアを交えて描いていますが、第二巻では、工場現場だけではなく、取材を受けたときの思い出や、現地での著者自身によるボランテイアライブ(昔の歌が得意で施設のお年寄りに大変喜ばれたらしい)などのエピソードも盛り込まれて味わい深い一冊となっています。

特に印象的だったのは,この漫画を描いた後受けた取材のこと。

「体調はいかがですか」と聴かれ、「むしろ福島へ行く前より健康なくらいです」と答えて、大体の質問者はこれで案人事てくれるのだが、ただ一人、極端な質問を繰り返した人がいたとのこと。

「顔色が悪くて、頬もげっそりしておられるように見えますが、それはやはり放射能の影響で?」

さらに何を話しても「以前よりおやつれになられたのでは?」と繰り返され「以前の俺のこと知らんだろ!もともとこんな顔なんだよ」と切れそうになったそうです。ここでは著者は、汚染水も騒ぎすぎの面があるとか、オリンピックの聖火リレーを国道6号線でやったらどうかとかまで語ったらしいのですが、全くそれは無視されたとのこと。

また「過酷な現場で搾取されたのですね、常人にはとてもあの過酷な場所は・・・」と、最初から結論ありきの取材があり、それに対し「いやいや、働いているのは、みんな普通のおっさんですから」というと「そんな普通の方々の危険な被ばく労働の上に成り立っている職場なのですね」と、これまた結論に強引に結び付けられてしまったようです。

また、特定秘密保護法案について意見を訊かれたことがあって、実はその取材者が、漫画そのものも読まず、原発についての最低限の知識もない人だったこともあったとのこと。これは新聞からの取材だったようです、マスコミの方々は是非考えてほしいのですが、こういうのは取材じゃないです。著者は漫画で表現しているのだから、まずその内容について質問してほしい。

今も続く福島原発の作業が終わるまで著者は関わり続けると語っています。この第二巻もぜひお読みください。漫画としても、機械や作業現場のち密な描き方と個性的な作業員の姿など大変面白く読めるものになっています(三浦)